地元説明会における質疑応答
第4回説明会  (9月26日簗川地区振興センター)
付け替え国道の供用について
Q 最終的に国道につながる部分は、片一方はできているんですよね。そして、従来の道路に付く時は、すぐ走れるようになるんですね。
A 現在の道路のままで、新しい道路が走れるようになって始めて通れるようになる。途中でこっち通したりなんだりと言うことはしません。
 すっかり道路ができた時点で、今走っている道路を今度はこっち走って下さいと。開通式の日にそうなります。田の沢の所にインターができますが、そこからここまで一気にやります。


安全対策について
Q 今度できる道路はすごく高いところにできて橋とかトンネルばかりですよね。道路の安全対策とかはどのようになっているんでしょうか。冬なんか道路が凍ると思うんですよね。ほとんど日影を走るから。
A 橋とかトンネルとかは今と状況が変わるところも出て参ると思います。管理用発電で冬季対策を賄えるのか、そこのところがどうなるかについてはこれからの検討中です。
 私の感覚では、今の曲がりくねった日影の道路よりは、普通に法規を守って走っている分には危険はないのではないかなと思います。


信号機について
Q 信号は付かないのか。
A 信号はつきません。
Q 宇曽沢に繋がる県道も付かないのか。
A 宇曽沢に繋がる道路は未定なんです。工事用道路で造っているわけですけれども、いずれ高規格でいう半自動車専用道路ということで、原則として交差点というのは設けられないんです。
 そういうところもあるんで、スクールバスというのをどうするのかということが一番の検討課題として残っています。


地元の要望
Q 今の市道は家がないわけなんですけれども、要所要所に街灯が付いてないんですよ。そういうところは自治会もせっかくやったんだから、街灯を付けてもらえば地域も明るくなる感じがします。家がないからできないと言われればそれまでですが。
A 交差点照明とか橋梁の照明等は道路管理者が付けるんですけども、街灯はですね、まあ役所的な言い方ですけど市役所なんです。


簗川国道以後の道路計画について
Q 将来は簗川道路の最終点から川井のほうへやっていくんですが、この計画というのはいつ頃組まれるんですか。
A 地域高規格道路といたしましてはですね、一番最初にやった川井村の達曽部については完成しております。その次着手しましたのが、この簗川道路。それから直轄さんの国の代行によります都南川目道路の順でやってます。
 それで岩手県ではその次どこやるかということですが、今宮古のほうで三陸縦貫道を地域高規格道路としてやってまして、それに合わせて宮古西道路というものをやります。
 宮古西道路が終わってから次どこやろうかという検討にはいるかと思います。今、県でも選択区集中ということで箇所を絞って、とにかく集中投資して短時間のうちに効果を上げましょうという計画でして、昔のようにあっちも手を付けるそっちも手を付けるという時代じゃなくなりました。
 県内で地域高規格道路に指定されているのはこの国道106号ですから、必ずや整備されるとは思いますが、いつの時点でというのはちょっと言いかねるということでございます。


エコロードについて
Q 大変自然環境などに留意されて工事されているようですが、エコロードの効果というものはどの程度かということはわかっているんですか。
A小動物移動路は、国道と県道にそれぞれ1箇所ずつ造っていまして、狐とかイタチとかの移動は確認されてますけど、実際今新しい道路をまだ車が通ってないんで、道路の上も歩ける状態なもんですから、実際にどうなるかについては予測の範囲ということで。
 もうちょっと中型の動物も移動できるようなもの、もうちょっと大きなものも検討はしておりますけれども、実際どうなるかについてはわかりません。ただしですね、この道路は橋梁がすごく多いと言うことで、結局橋梁の下は移動できるようになっており、そんなには遮断するものではないのかなというふうに考えています。カエルが上がれる側溝についてはやはり数カ所設置していますが、それの実態は確認しておりません。
A カエルに付きましては専門家を交えまして専門委員会を開催しましたその中でいろいろなご指導、ご助言をいただきながら環境対策していまして、造ったところに赤外線カメラを置きまして観察しておりまして、移動した・利用したと言うことを確認して委員会のほうに報告してございます。
文責者より:エコロードなどの設置は、設置したから良いというものではなく、その後も土砂で埋まらないように配慮する必要があるのですが、その点は全く説明されていません。

道路の横断について

Q 高規格道路が何年先かわかりませんが、自動車専用道路ですから限られたところしか横切るこがはできなくなると思うんです。
  そういうことを考えると、小動物や自然動物より、そこに住む人間のほうがずっと大事じゃないかという風なことも考える。いずれ人間も便利にはなりますけど、やはり不便さを感じるのかなということで、いろいろ自然環境というのは気を遣っていただけるようだけど、地域住民のことはよく考えてないんじゃないかなという風なことを考えるんですがね。
 いずれ、宮古から盛岡、そして秋田まで、90分90分と理解して居ますが、そういう横断道路を造るということで、用地を提供した人がいるんでしょうけど、今後進めるに当たって住民にも十分配慮してほしいなと言うことを感じますね。
A 今の意見は今後の計画に活かして参りたいと思います。
 文責者より:行政がこのような応対をするときには確約を取り付けておくべきではないでしょうか。今回、5度に渡る地元説明会を傍聴して、「前と話が違う」という声は度々耳にします。

ダム堤が低くなったことによる残地への対応について

Q  ダム堤が低くなったから、かなり余るんですから、水の行かないところが。
A そこにつきましても今うちの方で委託発注しようとしていまして、ワークショップ等をお開くなど、地元の人の意見を聞きまして、残地の処分を検討しているところです。
 文責者より:これも確約を取り付けたほうが・・・

魚道の設置について
Q ダム造って川が止まって、魚の行き来はどうなるんですか。
A ダムの提体の上下流の魚の行き来は遮断されます。遡上する魚、鮭とかありますけれど、ダムの下流にもそれらの魚の産卵する場所は確認してます。もちろんダムの上流までずっと来る魚も確認してますけれども。
 ダムから上流の部分については、遡上する魚も上流部で生活するように形態は変わりますけれども、いずれそういう新たな環境で、定着するような生活に変わっていく。下流についてはダムの手前で産卵するような格好になる。今までもダムの下流で産卵する場所は確認していますので、そういう形でダム以後の魚環境は保たれると判断しています。
Q なんか前の説明会で聞いたような気がするんですが、ダムの堤防を上がるように魚道を造るとか言っていたのはあれは嘘だったんですか。
A 検討はしたかもしれませんが、結果的にこういう80mという高さのダムですから、なかなか今おっしゃった魚道を付けたりする事は難しいと言われてます。いろんな方法があり実際的にやっている所があるようですが、あまり効果がないと。要はかけた費用に対して効果があるかという、簗川でも検討中ですが造らない方向になるかと。
Q漁業組合はなんと言っているのか。
A一応漁協でも話はしています。
 文責者より:漁協にした説明はどの程度なのでしょうか。早池峰・綱取ダム下流の聞き取り調査では、ダム建設後、魚が住める環境は完全に破壊されるようですが。
 


第4回説明会  (9月27日根田茂地区消防コミュニティーセンター
完成年度について
Q 前は平成19年と言っていたものが今度は平成22年か。
A 申し訳ございません。そこを言われるとちょっとあれなんですけれど。

事業費について
Q 去年は道路事業費に1億円しか出ていませんよね。
A どの資料ですか。
Q 再評価調書、評価委員会のです。去年1億円しか出ていないと言うことで、まだ30億円以上かかるから、30年かかるという感じになるんじゃないかな。
A 106号の付け替え道路そのものはですね、湖表工事としてやるダムのお金と、質的に改良になる分の道路費の継ぎ足しの2つでやっているんです。これまでの工事は道路費の先行でやってきたもんですから、橋のお金が追いつかなかったのですが、全体の持ち出しの中で道路費がある程度自分たちの持ち分の所まで来たもんですから、この頃は道路は少ないお金でやっています。
 それで、河川のほうはこれまで少なかったもんですから、最近は河川割合に追いつくように、河川のほうを重点的に道路のほうに振り向けて仕事をやっていますので、そのような結果になっています。
Q 今後はちゃんと事業費が出るということですか。
A 付きますよ。ただ財政的に厳しめですので、平成19年と言ってましたけどそこまではできないので3年ぐらいは延びますね。
 文責者より:県土整備部道路建設課に確認したところ、国の道路事業に対する方針の変更のため、事業費の付きにくい状況にあるようです。平成17年度の簗川道路の要望額は3億円だったのに対し、1億円に留まったということは、今後の事業費もスムーズに出るのか?という点でおおいに疑問です。果たして平成22年に完成するのだろうか?

事業進捗率について
Q 進捗率が再評価調書では82%になっていますが、何で今のご説明では77%なんですか。
            当日のスライドより
A 今言ったように、道路費と河川費入れたやつでやったのと、単独でやったのはまた変わるんですよ。だから委員会でいろいろはっきり分けて説明するということですので、我々が言っている77%というのはトータルで言ってました。ダム単独で行けば82%だと言うことです。
 文責者より:トータルにして計算した場合、県道の進行が遅れているので、進捗率はぐっと下がるような気がするのですが。

ダム堤について
Q 去年新聞で見たが、100億円減額したそうだ。そして今年また減額。これで堰堤は下がるのか。
A 利水の計画が多少変わりました。かんがい・発電が降りる、水道は減ると。そういうことで4.7mダム高が下がります。それで事業費もそれに伴って下がります。さらにコスト縮減等を計画に盛り込みましたので、平成13年度の時に670億円と言っていたのが今回530億円になります。それで今回、大規模事業評価の評価を受けています。
Q 工事が終わった堰堤は高さが決定したものなのか。
A 県といたしましてはあそこに造ると言うことで事業進めています。
Q ボーリング調査結果は大丈夫なのか。
A 大丈夫です。平成13年度以降の調査で大丈夫と言うことで、今後あの場所で、まあ、4.5mはダムの高さ下がりますが、その高さでやることは問題ないと言うことで、県といたしましては進める予定です。
Q 不特定容量とか今審議中だから、今後の話し合い次第では、ダム堤はまだ下がることになるのでは。
A まあ、それはわかりませんね。
 文責者より:わかりませんとは無責任な説明です。はっきりと「可能性はある」というべきでは?

Q106号から県道に入ってくる交差点に前は産直広場を造る言っていたが、どのくらい大きな広場になるのか。
A交差点の所については地元の要望がございますので、ダムの建設に合わせまして広場を造りたいということで説明を受けております。ただ、検討中ですのでどのような形になるかはまだ決まっておりません。ダムの設備の関係でちょっと配置計画をしないとですね、建設的な広がりとか形状統一とかの面でまだお話しできませんけども、いずれそのうち。
 文責者より:何度も繰り返しますが、このような口約束は必ず確約を取り付けるべきです。あとで泣くのは地元の方々です。


第4回説明会  (9月29日川目上学習センター)
事業分担について
Q △□さんのところは国の管轄で、向こうはダム関係。どういうわけで?
A 本来は岩手県で工事する区間なんですが岩手県にお金がないもんですから、国のほうで岩手県の負担を少なくして、国の工事として直轄代行でやってあげますよという申し入れがあったものです。岩手県が工事する費用の持ち出しが少なくて済むということで国のほうにお願いしました。
 昭和51か年52年に106号を宮古まで整備したんですが、区界から向こうは三陸国道工事事務所にやってもらいまして、区界からこっちは岩手国道事務所でやりました、あと一部を盛岡土木事務所と宮古土木事務所のほうでやって4社が協力して早期に供用を開始した。
 もし国がやらないで岩手県だけでやりますと、お金や人手の問題で平成22年度までに田の沢まで完成するのは難しいかと。

地元の了解について
Q 今日は何人に案内出して何人呼んだのですか。
A 上川目の約90世帯をご案内しております。
Q 90世帯に案内して何人来てくれましたか。
     会場の様子
A 8人かと。
Q それはどういうことをこの地域は表明していると理解してますか。
A 私どもの感じといたしましては、ダムに賛成のためにおいでにならず、住民の声としてはダムと道路の早期完成を図ってくださいということかなと認識しております。
Q あのね。うるせえってね。ダムの説明なんて聞きたくねえって言う人が多いから来ないんですよ。なぜかっていうとね、例えばここの道路です。無断で人の土地に、黄色い杭・赤い杭、ばんばん立ててよ。迷惑な話だ。それというのも、何回も設計変更してるでしょ。それは全部役所の金でやっているよね。税金の無駄遣いですよ。平気で人の土地に杭打っておいてさ、だからね、こんなダムの事務所の説明なんて聞きたくないっていうのが、この地域の正直な考え方です。警察に言われたとかなんとか、人の土地にかってに杭ついてさあ、あれじゃとてもじゃないけど土地の利用はできないですよ。だから、私の土地に関しては簗川ダムの道路に対しては協力できません。どうぞご自由にやって下さい。私の土地を使わないで道路造ってください。
A ちょっと確認したいんですけれども、何回か計画変更しております。それはですね、直轄さん(国)の区間の取り付けの関係がありましてですね、いろいろと変わった経緯はあります。それとですね、公安委員会との調整もありまして、いろいろ迷惑かけたなあと思います。我々の当初計画はですね、実は説明あったんですけれど、公安委員会のほうからやはり・・・
Q 民有地、民有地ですからね、個人の所有権があるわけです。その所有権は侵害しないでください。私はなんの説明も受けてません。
A 直轄さん主体でやられたはずなんですけれども、
Q なんの直轄ですか。
A いや、直轄代行でやってる区間ですので、
Q いやいや、個人の所有権があるんだから、個人に説明して了解得てから・・・
A だから、説明したと思ったんですが。
Q してません。
A じゃあ、直轄のほうともう一回調整します。
Q 私は説明は聞く必要ありません。
A いやいや、地区に分けて説明会やっておりますので・・・
Q 説明会はみんなに対してしているんであって、所有者にはなんの説明もしていません。所有者をも含めて全体に説明しているからと言って、所有者に説明したことにはなりません。
A じゃあ、もう一回国のほうと調節します。
Q あのね、あんな風に勝手に道路造られるとね、今使っている土地は使い物にならないんです。全部買って下さいってことなんです。
A ただね、説明会をやったんで、それで了解かと・・・
Q それで了解にはなりません。一人一人所有者に了解を得ないうちは。みなさんの前で説明沙汰からと言って、所有者が納得したことにはなりません。甘く考えないでください。
A じゃあ、わかりました。もう一回担当のほうに確認してみますから。で、再度、地主さんにあたっているかどうか確認します。確か私の記憶では直轄さんのほうで4回に分けてやっているはずなんですよ。
Q 何回分けてやろうが、所有者個人個人に納得してもらってません。あなた方は川の境は土手だと思っていたでしょう。そういう独断と偏見なんだよ、あんた達のやっていることは。6号橋7号橋に関してはこっちに関係ないことですから。
A そこの入り口の所ね。
Q そう、そこの所ちゃんとやって下さいよ、いつまでももたもたしないで。
A ダムの事業に反対と言うことですか。
Q 反対も含めて。ダム事業じゃなくて、ダム事業の運営の仕方。
A それは付け替え道路の用地の話ですか。それは今帰って担当に聞いてみます。やってなければやらざる終えません。私はね、やっていると思ったんですよ。
Q いや、所有者である私が言っているんですよ。あんたがたはみんなでもたれあって仕事してるでしょ。私何も聞いてません。そして、土手の上までが川だなんて馬鹿なこと言うから、あんた方を全部まわって歩いてちゃんと認めたでしょ。それくらいあんた方は勉強していないんですよ。私に言われてその通り認める。何で認めるんですか。ここまで川だよってなんで言わないんですか。簡単に言えるじゃないですか。あんたたちには定義がないっていうことだ。
A 平成8年に決まったと聞いておりまして、
Q 誰が?どこに証拠があるんですか。平成8年というのは約10年も前の話し、その時に係わった人は誰なんですか。
A それはちょっとわからないんですがそのように聞いております。
Q あんたたちね。役所はね、何をやっても給料もらえるんですよ。民間と違うんですよ。だからね、土地所有者と無関係にさ、川は土手の上まで川だなんて平気な顔して言えるんです。それちがうと言って認めたでしょ。
A たぶん用地利用に関しても説明したと思うんですけど、
Q 2回3回と計画が変わっている。道路の幅が広くなって変わっている。今日は来てないけども○×さんという人は、「これじゃ私の土地は利用できなくなる。川までみんな買ってもらいたい」と言っていた。
Aこれもですね、直轄のほうで説明しているはずなんで、そのほうは私らまで入っていない。
Q人の責任にしないでください。ダム事務所の責任でやって下さい。
Aと言われましても、やる区間決めておりますので・・・
Qそれはあんた方の都合なんだよ。こっちには関係ない。あのね、あういうふうに道路をね2回も3回も計画変更するならば、そのことはやっぱり土地所有者に言うべきだ。
A無断でやったというならほんと失礼な話ですので、あってならないことなんで確認してみますから。
Qそうして下さい。こういう訳の分からない説明会やるのはやめてください。

文責者より:思いがけず地元地権者とのやりとりを目にしてしまいました。平身低頭するダム事務所の面々がちょっと気の毒に思うほどやりこめられていましたが、私が思うに、これもダムができるまでの態度で、できてしまえばこの役員達は全部部署替えでいなくなるなどということもあり得、それを考えたときにはこの状況もつかの間かなという気がします。









inserted by FC2 system