情報公開審査会は機能しているか? No1       文責m。j

 県は水位データを本当に捨ててしまったのか?!

 以前、私たちは簗川の水位データの情報開示を請求しましたが、「書庫を探したが見あたらない。保存年限が経過したため廃棄したと思われる。」との理由で非開示処分となりました。
 この処分を受け岩手県知事対し異議申し立てを行ったところ、情報公開審査会において第73号諮問事案として処理されました。
 詳細については次のページをご覧下さい。
情報公開及び審査会の状況
 この一件は岩手日報でも報道されました。
県の非開示決定は妥当 簗川ダム建設 岩手日報05/10/15

 見出しだけを見れば県の言い分が概ね認められたかのような印象を与えますが、内容はそう簡単なものではありません。
 
無くしたから見せられないは妥当か?(諮問の真相)
 この度請求した水位データは、簗川ダム計画の流出解析(基本高水流量の検証)にも使用された重要なものです。
 ちょうど簗川流域懇談会治水小委員会が進行していた時期であり、流量計算に数々の不備を指摘されてきた県としては、できれば見せたくない資料であったといえます。
 「見せなくて済むように無くしたとでまかせを言っているのでは?」という疑義から、審査会に諮問したわけですが、審査会答申は「捨てたという証拠はないが、持っているという証拠もない」という理由で非開示が妥当であるとの答申になったというわけです。

審査会の存在意義はあるのか?
 意見陳述の場では「廃棄したという証拠があるのならまだしも、証拠もなくただ『無くしたのではないか』では納得できない。第一無くしたで通用するのなら、この審査会の存在自体が意義をなさないのではないか。」と主張しました。
 私たちの真意は審査会を困らせることではなく、「『無くしたから見せられない』などという曖昧な理由で情報公開を拒否できるとは考えないでほしい。廃棄したから見せられないというのであればその証拠も一緒に提示するべきだ」と、行政の対応を正すことことにありました。
 水位データが開示されなかったのは確かに残念なことではありますが、今後県がいい加減な応対ができなくなったことは大きな収穫でした。

水位データは本当に廃棄したのだろうか?
 審査会がやむを得ず認めた非開示決定とは別に、本当に水位データは紛失してしまったのかという疑問が残ります。
 以前、東北電力に伺い40年前から観測していた簗川小屋野地点の水位データについて質問しました。
 「小屋野の流量資料というのは40年前のものであるし、水力発電計画も流れてしまったのであるから、県の方に管理を譲ったら良いのではないか。」
 「これは東北電力の大事な資料であって、今後水力発電の計画が復活するとも限らないわけだから、そういう可能性がある以上、私たちは何年でも保存管理する。」

 東北電力では水位データを廃棄することは到底考えられないことだと言っているわけです。
 ふりかえって県は「捨ててしまったんだろう」と言う。みなさんはどのようにお考えでしょうか。
 県が水位データを今も隠し持っている可能性は十分あります。

現在のデータ管理は適切だろうか?
 平成11年に「知事が保有する行政文書の開示等に関する規則」 が施行されて、以前は文書管理が杜撰(ずさん)な時期もあったが現在では適正に管理されているそうです。
 水位データに関しても、今はちゃんと保管されていると非開示理由説明書にも記載されています。
 当該水位データは、行政文書管理規程第49条により出先機関が定めるファイル管理簿のファイル項目にはないが、流量観測業務委託報告書の基礎資料であるため、ファイル項目「調査業務委託報告書」に分類し整理している。調査業務委託報告書の保存年限は10年である。

 では、現在の管理システムは機能しているのでしょうか?(現在開示請求中)
岩手県合同庁舎の情報開示室にある管理ファイルには下のような記載しか見つかりません。これでは明確に資料の所在がわかるとは言えません。
 資料の開示が待たれます。それとも非開示になるのでしょうか???





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