水質アップに高次処理 岩手日報H13/11/26

活性炭やオゾン使用〜徐々に増加傾向

 県内で活性炭処理など上水道の高次処理を導入した浄水場が徐々に増えている。浄水場改築の際に整備を計画する市町村もある。県内は取水源の水質が比較的良好に保たれているが、水源の汚染や既存ダムの富栄養化などが進めば今後さらに普及すると見られている。
                                                県内の浄水場                                                                  
 水道の高次処理は、各種化学物質や湖沼の富栄養化による水道資源の汚染に対処するため活性炭やオゾン、微生物などで処理する方法。高度浄水施設の整備に国の補助制度があるが、花巻市などのように単独で備えた自治体もある。
 千厩町は2002年度から3ヶ月で約十憶五千万円轟じて宮田浄水場を全面改築する。千厩川の表流水を取水源とし、活性炭を使って高次処理。町中心の約二千三百戸、六千五百人に給水する。
 千厩川は水質悪化と水量の少なさが悩み。町水道事業所は「川水の汚染で苦慮していた。水道水の基準も厳しくなっており、水質のレベルアップを図る」と高次処理導入の理由を語る。
 盛岡市は四つの浄水施設のうち一九八四年に中屋敷浄水場、九五年に新庄浄水場で活性炭処理を導入した。「中屋敷は御所ダム、新庄は綱取ダムからの取水で、富養化に対応した」(市水道部)としている。  
 県内の水道普及率は上水道、簡易、専用水道合わせて89.8%(九九年度)。大半は小規模で大量処理できる急速ろ渦方式を採用している。ただ、水道水のにおいなどへの住民の不満も高まりつつあり、高次処理を今後検討する市町村が出てきそうだ。
 県環境保全課は「もともと高次処理は都市部など水源が汚い地域が用いる方法。県内ではまだそれほど必要に迫られていない」とみている。
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