「絶滅危機のギンボシヒョウホモン」
          珍チョウいずこ      
岩手日報2004,3,8より
 
 「盛岡市に建設が予定されている県営簗川ダムで、県が1995年度に実施した概略設計段階の事業予定地で、岩手レッドデータブックAランク(絶滅の危機に瀕している種)のチョウのギンボシヒョウモンが確認されていたことが分かった。2001〜03年度の調査では見つからず、確認された場所はその後工事区域からもはずれたが、自然保護関係者からは適切な調査保全を求める声も出ている。」


なぜ今ごろ?

 簗川ダム環境調査は、委託を受けた県外の民間業者が95、96年度に事前調査を実施し、95年度だけギンボシヒョウモンを確認した。しかし、その報告は、昨年6月の環境影響評価報告書暫定版の中で初めて公表された。
 98年度に行った補完的な調査の際に、当時のダム周辺環境整備基本計画検討委員会の意見を受け、さらに詳しく調査をしたが、発見されなかった。

適切な保全を求める声

 尾形洋一宮古昆虫研究会長は「実在するならば、周辺に生息地があるかを含め詳しく調査し、適切に保全してほしい。」と求める。
 簗川ダム建設事務所の小関司公務第一係長は「生息がはっきり確認されれば、専門家の意見を聞いた上で適切な対応を検討したい。」としている。

ギンボシヒョウモン
 タテハチョウ科、体長65mmほど。羽根の表側は黄褐色で黒い小紋が散在、裏側の後ろ羽根に鮮やかな銀色紋がある。食草はタデ科のクリンユキフデ、スミレ類など。年1回7月頃に成虫が出現して草原や森林を飛び回る。
 生息地は北海道に多い。県内では盛岡市、滝沢村宮古市、岩泉町などで採集されているが、10件前後と少ない。01年3月発行の「岩手レッドデータブック」によれば、最後の最終記録は59年となっている。



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