盛南開発地区への対応も簗川ダムなしで十分可能です |
文責m.j |
現在盛岡市の水道事業についてのパブリックコメントが実施されていますが、市のホームページで公開されている新盛岡市水道事業基本計画には「供給能力の増強」の項目に、 「沢田浄水場系東部地区および盛南地区の安定給水確保のため配水幹線の増力増強を実施する。」 とあります。 |
また、昨年行われた簗川ダム取水事業再評価委員会では 「現在、沢田浄水場の最大稼働率は93.5%であり、安定性や災害・事故への対応力については不十分な状況となっており、供給能力の増強が求められています。」 という説明が盛岡市水道部から出されました。(沢田浄水場からの配水エリアは雫石川以南、北上川両岸の盛岡市) |
沢田浄水場エリア |
−稼働率100%以上の日が存在する?!− |
盛岡市水道部の言い分を簡単にいえば、「沢田浄水場の稼働率100%(30,400m3/日)に逼迫することがあり、現況では今後の盛南開発などによる需要の伸びに対応できないから、簗川ダムからの取水が必要だ。」というものです。 ところが、沢田浄水場の配水実績を見れば、稼働率100%を上回る日が何日もあり、しかもそれが何日も連続してあります。(最大31,146m3/日、4日連続。) |
沢田浄水場月報平成6年7月 |
沢田浄水場月報平成6年8月 |
平成6年7~9月の沢田浄水場における1日配水量の推移(エクセル) |
水道部に問い合わせたところ、平成6年は新庄浄水場の稼働前であり、需要が配水量3,400m3/日を上回る日は配水池(14,720m3)の貯水分から配水していたとのことです。 このことは大きな意味を持ちます。 |
−配水池の目的は?− 浄水した水は一端配水池に貯め置かれます。供給量に余裕があるときにこれを満杯にしておき、供給量に合わせてここから配水されます。そのため沈殿池の洗浄などの、施設の一部を休ませざる終えないようなときにも余裕を持って配水できる仕組みになっているのです。 平成6年度は降水量も平年より少なく、それに比例して供給量も非常に多かったようですが、何事もなく配水できたのは、この配水池に浄水を作り置きができるという施設能力があったからです。 この配水池の貯水分を考慮すれば、計算上は、稼働率148%(45,120m3/日)まで対応できることになり、時々稼働率を上回ることはおろか、93%程度であれば「安定性や災害・事故への対応」に支障を来すことなど決してあり得ません。 |
−1日平均供給量は?− 盛岡市水道部は今後の需要見込みを、昨年の盛岡市会議員全員協議会以来全て最大供給量を基に策定しています。 年に1度や2度の飛び抜けて供給の多い日への対応が設備能力で十分可能であることが明らかになった今となっては、これが過大な水需要予測になることはいうまでもありません。 水需要の将来予測は、1日最大ではなく1日平均をベースに行うべきでしょう。 それでは沢田浄水場の一日平均供給量はどれくらいなのかを表にしました。 |
平成10年度 | 平成11年度 | 平成12年度 | 平成13年度 | 平成14年度 | 平成15年度 | 平成16年度 | |
1日平均配水量 (m3/日) |
24,567 | 22,230 | 23,407 | 23,662 | 調査中 | 23,967 | 調査中 |
稼働率 | 80.8% | 73.1% | 77.0% | 77.8% | 78.8% | ||
最大月 | 7月 | 8月 | 8月 | 7月 | 7月 | 8月 | 8月 |
最大月 1日平均配水量 (m3/日) |
27,695 | 25,324 | 25,429 | 26,256 | 25,471 | 24,489 | 26,448 |
最大月の1日平均配水量は平成15年度まで減少傾向にありました。平成16年度に伸びが見られるのは盛南開発などの人口増加が原因でしょう。 しかし、最大月にしてまだ4,000m3/日ほどの余裕があります。つまり、簗川ダムの取水分(4,300m3/日)とほぼ同量の余裕があることになります。 |
|
ー盛南地区には新庄浄水場からの供給も可能になります− さらに、先の新盛岡市水道事業基本計画には「供給能力の増強」の項目に、沢田浄水場エリアに新庄からの供給を可能にして盛南開発などの開発人口に対応する政策が既に進行しています。 |
|
|
|
このことは簗川ダム取水事業再評価委員会の際にも、書面で提出し評価委員に申し入れしたのですが、行政の一方的な説明に終始し、説明の時間を与えられませんでした。(委員も聞く気がなかった?) |
|
−渇水時の対応も十分可能です− 後日加筆予定 |
|
このように、「盛南開発に対応」という理由も簗川ダムは必要ありません!! |
|
トップへ |
|