文責m。j
平成18年4月25日 岩手県知事に再度申し入れを行いました。

 前回1月19日に行った申し入れの回答を不服とし、この度再度岩手県知事に対し申し入れを行いました。
申入書
 簗川ダムネットからは世話人4名が出席、対応にあたったのは、新任の水野尚光河川開発担当課長でした。
             

 申し入れにあたっての質疑応答の内容はこちらをご覧下さい。


前回回答の問題点
 去る平成17年11月18日に行われた「大規模事業再評価専門委員会」の審議内容を受けて行った前回の申し入れですが、要点は首藤専門委員長から提案された「専門家4人程度で構成する基本高水流量を精査のための専門委員会の設置」についてでした。 
前回申し入れの内容

 これに対し、岩手県からの回答は、「新たな委員会を設置せず、簗川の治水計画に関わりの深い河川工学の専門家の指導を得ながら、県が基本高水流量の精査を行う」であり、これでは「第3者による公正な視点での精査」は望めません。
岩手県の回答

 さらに、岩手県河川課が公表した「大規模事業評価専門委員会からの答申における付帯意見に対する今後の進め方について」では、「県が行っている基本高水流量の決定手法は最新の河川砂防技術基準に照らしても妥当であること、基本高水流量780m3/sについては県内の他の河川と比較しても概ね妥当であること」を首藤専門委員長が認めたという記述がありますが、これについてもいくつか疑問があります。



「県が行っている基本高水流量の決定手法は最新の河川砂防技術基準に照らしても妥当である」について
 河川課の説明によれば、「河川砂防技術基準」は平成17年に改訂され、従来の記載「基本高水流量を設定する際、カバー率(充足率)を60〜80%にした例が多い」から「最大値を採用する」に変更されたと首藤委員長が述べたとのことです。
 しかし、かつての基準に照らしても「妥当」と判断したのかは、未確認のままです。
 県は、あたかも簗川ダム計画(旧基準摘要)が妥当とされたかのような、誤解を招きやすい表現を用いたといえます。

 カバー率100%の基本高水流量を採用することは、基準の変更は別として、統計の観点から見れば過大であるといえます。
カバー率100%は過大です!

 つまり、「最新基準が計画策定の幅を広げたという点」に限っては、「現簗川ダム計画は妥当とされた」わけですが、簗川流域懇談会治水小委員会などで提示された、「基本高水流量決定までの計算過程」に関する問題点は全く解消されていません。
基本高水流量780m3/sが過大である理由。
 また、「大規模事業再評価専門委員会」の審議では、委員長自らが基本高水流量を精査するための提案をしていますが、このうちの「それから、40年間の流量があります。いちばん基本になるハーゼンプロットというプロットを図式解法でやるときには、40年のデータがあれば、80年に1回、これを超える流量というのは非常にいい精度で推定できるわけです。だから、そういうやり方がある。」は、すでに治水小委員会で取り上げられており、結果は400m3/sで780m3/sと大きな格差があります。



「県内の他の河川と比較しても概ね妥当であること」について
 県内の河川の多くで、流域規模を上回る治水計画が策定されてきた可能性があります。
ムダダム立県いわて
 他の河川との比較が簗川に当てはまるという確証はありません。


 岩手県からの回答は5月22日(月)です。







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